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| [432] 2024/7/23 | |
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■ ドゥーセ『スミルノ博士の日記』(宇野利泰訳, 中公文庫, 2024/7)刊行!
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2024年7月25日付で、ドゥーセ『スミルノ博士の日記』が中公文庫より刊行された。この文庫を当サイトで紹介するには、理由があったりします(^^;)。帯に気になる惹句が…。 江戸川乱歩・横溝正史にも影響を与えた、 世界ミステリ史上に名を刻む 本格推理長篇 カバー裏に、次の通り記されている。 天才法医学者ワルター・スミルノはある晩、 女優アスタ・ドウールの殺害事件に遭遇。容疑者として、かつての恋人スティナ・フェルセンが挙げられる。名探偵レオ・カリングの手を借り、不可解な謎に挑むのだが……。江戸川乱歩・横溝正史ら日本人作家にも多大な影響を与えた、世界ミステリ史上に名を刻む傑作本格推理長篇。〈解説〉戸川安宣 中央公論新社サイトでは、次の通り記されてもいる。 本作はかつて小酒井不木訳で「新青年」に掲載されるや、江戸川乱歩・横溝正史ら戦前の日本人作家にも多大な影響を与えた。世界ミステリ史上にその名を刻む、探偵小説ファン必読の傑作本格推理長篇。
江戸川乱歩・横溝正史ら戦前の日本人作家にも多大な影響を与えた小酒井不木訳「スミルノ博士の日記」は、鳥井零水名義で雑誌『新青年』1923年(大正12)1月号〜4月号(1月増刊含み)計5回連載された。こちらは、『小酒井不木探偵小説全集 第6巻 翻訳集(1)』(本の友社, 1992/6)で復刻されており、公立図書館でチェックした記憶がある。今日では、国立国会図書館デジタルコレクションで、小酒井不木訳「スミルノ博士の日記」を読むことが可能である。今回刊行された文庫に収録されている、訳者の宇野利泰「ドゥーセ今昔」によれば、小酒井不木訳と宇野利泰訳は「原本をおなじくした」訳業だったようである。さらに、小酒井不木訳は「省略がいちじるしい」とのこと(抄訳だったとは…)。 クリスティ『アクロイド殺害事件』(創元推理文庫, 1959/5)の巻末解説(中島河太郎)に、次の記載がある。 ちなみに、『アクロイド殺害事件』(The Murder of Roger Ackroyd)は1926年の発表である。 この根本トリックについて、クリスティは「このアイデアは、一度きりしか使えない独創的なもので(あとからこれを模倣した作品が多く出たが)、おそらくたいていの読者を完全に驚かせるものである」と自賛している。ところがわが国でもお馴染みのスウェーデンの作家、ドゥーセの作品の先例があり、1917年に出版されている。さらに同国のエルウェスタットにそれより早く同じアイデアの作があるといわれる。 谷崎潤一郎「春寒」(『ポー傑作集 - 江戸川乱歩名義訳』エドガー・アラン・ポー, 渡辺温/渡辺啓助訳, 2019/9, 中公文庫他)に、次の記載がある。谷崎潤一郎自身で自作「私」のネタバレをしていますので、未読の方はご注意ください。 ちなみに、谷崎潤一郎「私」の初出は、雑誌「改造」1921(大正10)年3月号である。ドゥーセ『スミルノ博士の日記』(Doktor Smirnos Dagbok)は、1917年の刊行。 僕は自作の犯罪物では「途上」よりも二三年後に発表した「私」と云う短篇の方に己惚れがある。これは自分の今迄の全作品を通じてもすぐれてゐるものの一つと思ふ。犯罪者自身が一人称でシラを切つて話し始めて、最後に至つて自分が犯人であることを明かにする。かう云う形式の書き方は伊太利のものにあると云うことを後に芥川君に聞いたけれども僕はそれを真似したのではなく、自分で思ひついたのである。 『スミルノ博士の日記』と横溝正史との関連は、下記関連ページを参照ください。 関連ページ: ・横溝考古学・事始め (85) 乱歩中絶「悪霊」続編の構想 - スミルノ博士の日記 - (19) カストールとポルックス ・ほぼ週刊・本棚から横溝正史 『ミステリイ・カクテル』(渡辺剣次, 講談社文庫, 1985/7) ・横溝正史シソーラス(パイロット版) - 温故知新編 - (2-07) ○横溝君ノ悪罵 (3-12) ○江戸川乱歩中絶作「悪霊」続編の構想 | |
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