 『横溝正史翻訳コレクション(2) 二輪馬車の秘密』 扶桑社[POD版], 2018/3/25, 定価:2,160円 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
収録作品は次の通り。
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Amazon.co.jpは、次のように記されている。 横溝正史は、一流の翻訳者でもあった。雑誌「新青年」編集長時代から積極的に海外作品を自ら翻訳し、紹介しつづけた正史。本書では、これまであまり触れられることのなかった翻訳者・横溝の業績に光を当てる。19世紀末の一大ベストセラーとして名高いヒュームの「二輪馬車の秘密」の二長篇を収録。単行本版と結末の異なる雑誌掲載版も併録した。時を経てなお古びない正史の闊達な訳文の妙を、ぜひご堪能あれ。 
奥付きには、次のように記されている。●このPOD版は扶桑社刊「昭和ミステリ秘宝 横溝正史翻訳コレクション 鍾乳洞殺人事件/二輪馬車の秘密」(2006年12月30日 第1刷発行)をもとに、『二輪馬車の秘密』をPOD版として制作されております。解説・翻訳リスト部分は『【POD版】鍾乳洞殺人事件」と共通のものが収録されております。 巻末の「横溝正史翻訳リスト」を見れば、横溝正史には数多くの翻訳作品があることがわかる。POD版(Print on Demand)とはいえ、扶桑社文庫昭和ミステリ秘宝『横溝正史翻訳コレクション 鐘乳洞殺人事件/二輪馬車の秘密』(2006/12)が復刊されたことは嬉しい限りである。 
オーストラリア・メルボルンが舞台となっていて、1987年に訪れたことがあるので、個人的にはこの作品には思い入れがあり、訪問当時を懐かしく鮮明に思い出させてくれる(^^;)。巻末収録の、横溝正史による「ファーガス・ヒューム」では、次のようヒュームを紹介している。 元来彼は頗る多作家で、一九二四年の統計によれば、合計一二八篇の多きに 昇る作品を残しているという。しかしこれ等の作品の殆どは、その場その場で 読み捨てられているていのものであって、時代を隔てた現代では、 馬鹿馬鹿しくて到底読むに耐えざるものが多いようである。其処に、 ガボリオの時代を隔てて今尚愛読されているのとの相違が見いだせるように思う。 しかし、そうは言うものの、彼の作品のうちに後世に残るものが全く ないというわけではない。彼の代表作と言われる「影の秘密」並びに 「二輪馬車の秘密」がそれである。殊に後者は、ドイルの探偵小説的第一歩の 作品と言われている、「緋色の研究」が発表された年の翌年、一八八八年に 書かれたもので、これによって彼の探偵作家としての位置は確立されたと言われている。 1888年というと、2018年の今から130年以上前に書かれた作品とは思えない。後年、横溝正史が好んで使用したプロットが見え隠れすると思うのは、私だけではないだろう。 関連ページ： ・翻訳家・横溝正史を探せ！ -「横溝正史・翻訳」作品をチェック！- ・横溝正史翻訳作品を読もう！ -翻訳家「横溝正史」の仕事- ｜二輪馬車の秘密｜鍾乳洞殺人事件｜灰色の魔術師｜ ・横溝正史アーカイブス：(106) 扶桑社文庫『横溝正史翻訳コレクション 鐘乳洞殺人事件/二輪馬車の秘密』刊行 ・横溝正史を読もう：(16) 『横溝正史翻訳コレクション(1) 』鍾乳洞殺人事件 |
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