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灰色の魔術師　 - 翻訳家「横溝正史」の仕事 -

ランドン『灰色の魔術師』 初出:雑誌『新青年』1935(S10)/1月号-6月号まで連載。蓼科三名義

原作：ヘルマン･ランドン, 『灰色の魔術師』
初出：雑誌『新青年』1935(S10)/1-6月号連載。蓼科三名義
収録：単行本未収録？

各章タイトルは次のようになっている。

1)『新青年』1935(S10)/新年特大号
　　　七星館(セヴンスター・マンション)
　　　公爵と名乗る男
　　　三本の毒矢
　　　マヤの復讐
　　　血滴々
2)『新青年』1935(S10)/二月号
　　　ブエノス・アイレスから来た紳士
　　　叫ぶ壁
　　　葬式船
　　　黒百合倶楽部
3)『新青年』1935(S10)/三月号
　　　黒い花弁
　　　奴隷市場
　　　魔術師怒る
　　　扉のからくり
　　　犯人はリンダ？
4)『新青年』1935(S10)/四月増大号
　　　夢殿の秘密
　　　またもダイヤの７型
　　　白衣の尼僧
　　　第二の矢
5)『新青年』1935(S10)/五月号
　　　第三の矢
　　　オリオン三姉妹
　　　公爵登場
　　　河上の追跡
　　　人肌文字
6)『新青年』1935(S10)/六月号
　　　片眼のドロリゴ
　　　聖なる殺人者
　　　月下の悲劇
　　　軍神の首
　　　大団円

<犯人当て懸賞>が付されて、連載されていました。
設問は「ヤツシヤ・シルヴェスタを殺害した犯人は何者なりや？」です。

連載開始号の「編集便り」には、次のように記されています。
◇「灰色の魔術師」これはあまり面白くて愉快なので、とうとう犯人探し 懸賞にした。久しぶりに一つ頭をひねって貰おう。勿論本格物と種類が違うから、 読者諸君は原作者と機知の競争をするつもりでかからないと背負い投げを 食う恐れがある。

 応募総数六千八百余通の内、正解者2391名だったと、連載終了の翌月号に 記されていました(七月号, p.131)。正解は連載最終号に記されています。 興味を持たれたら、本の友社復刊『新青年』の該当本を、チェックしてみては いかがでしょう。

『灰色の魔術師』連載と並行して、あの『鬼火』が同じ『新青年』の 1935(S10)/2-3月号に連載されていたりします。

横溝正史翻訳作品に関し、何か情報がありましたら、
ぜひともご一報ください。

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