横溝正史エンサイクロペディア・≪論創社『横溝正史探偵小説選』完結・戎光祥出版『横溝正史研究』創刊記念会,2009年1月31日(土)@専修大学神田校舎大学院棟731号室≫
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[7]時の海にたゆたえ  - 甦れ、幻の作品たち -

■ 7-1「さあ、これからだ」を継ぐ者へ
  ここ数年で形成された、横溝正史の"未収録"という作品ジャンルには、 それらを一般書店に並ぶ本として刊行するという、慣習と道筋ができました。 未収録作品の出版に尽力された方々のおかげで、深淵の闇に光明が差すかのごとく、 横溝正史文学遺産の全貌が、おぼろげながら見え隠れするようになってきました。 横溝ブーム当時からすれば、隔世の思いです。

しかしながら、横溝作品のファンの訴追は、止むことを知りません。 「さあ、これからだ」の意気込みで、終戦後横溝正史が探偵小説の執筆に邁進したように、 これからも、探求・発掘が継続されるに違いありません。

■ 7-2横溝正史の作品ジャンルから"未収録"という項目をなくそう
  水面下に隠れた氷山は想像以上に大きいように、今日私が紹介させていただいたものは、 まだ見ぬ横溝作品のごく一部に過ぎないことは、紛れもない事実です。 一刻も早く、横溝正史の作品ジャンルから"未収録"という項目をなくすことは、 横溝ファンの願いだと思います。

横溝正史の"未収録作品"は、時の海にたゆたえと浮かぶ氷山です。 目に見える部分を書誌という地図に例えるなら、作品本文は水面下に隠れた部分です。 書誌情報を充実したものにすれば、必ずや、まだ見ぬ横溝作品に出会えると信じています。

■ 7-3 真の「全集」への素地
  21世紀は、未読の横溝作品を新作感覚で読む時代になりました。 しかしながら、真の「全集」は、一度も刊行されていない横溝正史。 未収録作品集の刊行が相次いだおかげで、全集刊行へ向けて、 その素地が整いつつあります。

■ 7-4 「横溝正史シソーラス」へのバージョンアップを目指して
  個人の趣味が高じた私のホームページも、まだまだ発展途上です。 さらなる情報収集と、魅力的な書誌データの開示を心掛けたいと思います。

「あきらめなければ夢は叶うという、メッセージを伝えたい」という、 高橋尚子の言葉を励みに、近い将来(いつになるか未定)、「横溝正史シソーラス」への バージョンアップを目指して、地道にやっていこうと思います。

2009年も横溝な年であらんことを祈念します。
  以上

未収録の横溝正史作品をご存知の方、ぜひご一報ください。


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