企画展図録『日本探偵小説の父･森下雨村』　 - ほぼ週刊・本棚から横溝正史 -

企画展図録『日本探偵小説の父･森下雨村』 高知県立文学館, 2005/4/21, 税込858円

内容項目は次の通り。 森下雨村略年譜 　1926年(大正15年)　横溝、博文館に入社。, p.10 　1927年(昭和2年)　〈新青年〉二代目編集長は横溝正史。, p.10 森下雨村を偲ぶ(追想録) 　雨村先生の思い出, 横溝亮一, p.13 　古きよき時代の親分, 横溝正史, p.15-16 日本探偵小説の父　森下雨村の生涯 　雨村と「新青年」が育んだ作家たち, p.48 　　横溝正史｜大正10年8月(懸賞当選) 推理小説作家 　　　　　　　「本陣殺人事件」「悪魔の手毬唄」 　　　　　　　「新青年」2代目編集長 　晩年まで続いた 森下雨村と横溝正史の友情, p.49-50 　　雨村は横溝の本格探偵小説小説を高く評価、 　　　岡山県の横溝疎開宅へも訪問 　ぼつぼつ書きためた、釣り随筆の出版を思い立つ, p.58 　　(横溝正史宛て森下雨村書簡) 昭和30年3月27日 　雨村、晩年となり体力の衰えをひしと感じる, p.61 　　(老境を書き綴った、横溝正史あて森下雨村の手紙) 昭和37年4月2日 　昭和40年5月16日、ふるさと佐川で永眠, p.62 　　横溝正史の日記(昭和40年5月17日), p.62 　雨村先生の葬儀に列して(抄) 横溝亮一(横溝正史令息), p.62-63 　横溝正史　弔詞(抜粋), p.63 森下岩太郎日記･雨村日記(抄) 　S5.2.10(月), p.67 　S5.2.12(水), p.67-68 　S15.3.1, p.68 　S21.11.26, p.71 　S24.5.19, p.72 　S27.2.4, p.73

お恥ずかしながら、本図録の存在を最近偶然知った次第。20年前に、森下雨村に関する企画展が高知文学館であったなんて。当時は、知る由もなく…。 横溝正史関連の掲載写真は、次の通り。 ・「新青年」や探偵小説の仲間たちと�@ 昭和3年帝劇にて(集合写真), p.7 ・森下家を訪れた横溝一家, p.13 ・森下雨村に贈られた横溝正史の署名入り本の一部, p.15 ・横溝正史。昭和51年頃、自宅の庭で。写真パネル協力/吉備路文学館, p.15 ・横溝あて森下書簡 横溝亮一氏蔵, p.49 ・横溝正史色紙「鬼想佛心」, p.50 ・横溝が昭和20年4月〜23年8月まで疎開した岡山県吉備郡岡田村桜 　(現真備町)の家, p.50 「横溝正史 弔詞(抜粋)」とある。こちらは刊本未収録のように思う。「抜粋」となっているが、はたして全文を読むことは叶うのだろうか。 森下岩太郎日記･雨村日記は、「抄」となっており、刊本になっているのだろうか。気になるところ。その日記(抄)から、横溝正史関連を抜粋してみた。渡辺温急死、横溝正史宅訪問、横溝正史岡山租界宅訪問、海野十三急逝、横溝正史「大迷宮」受領のエピソードが綴られている。 S5.2.10(月) 　 渡辺温君、谷崎潤一郎氏を訪問の帰途、自動車、列車に衝突し急死の旨電報あり。父君幸ひ上京中、友人神田弁護士妻君るり子氏と共に水谷横溝両君を西下せしむ。惜しむべき事なり。 S5.2.12(水) 　 午前十時半渡辺君の遺骨東京駅に着す。全館員にて出迎ふ。一と先づ久世山ハウスに入り午後一時より告別式を挙ぐ。夜は横溝宅にて通夜。(後略) S15.3.1 　 (略)帰途横溝君宅を訪ふ。妻君も案外元気にて赤ん坊を背に甲斐甲斐しく働いている。母堂は不在。帰りを送って出る横溝君とブラブラと裏通りを散歩。 S21.11.26 　 早朝幹男に送られ、岡山に向ひ、横溝正史を訪ふ。四年目なり。宣子十八歳、亮一中学四年、るみちゃん、すでに小学一年。 S24.5.19 　 雨。早朝江戸川君より電報あり。海野十三君、十八日夜九時急逝、(略) 取不敢、未亡人宛、江戸川、横溝君宛に電報をしておく。 S27.2.4 　 寒波。北山雪。横溝より「大迷宮」と輝へ歌舞伎のプロマイド贈り来る。 横溝正史「桜日記」(昭和21年3月1日―12月24日, 講談社『新版横溝正史全集18 探偵小説昔話』1975/7収録)の記載から、S21.11.26の「横溝正史を訪ふ」は、泊りがけで岡山の横溝正史疎開宅へ訪れていたことが、判明した。 　十一月二十六日　森下夫妻御来訪。 　十一月二十七日　森下夫妻帰られる。 関連ページ： ・横溝考古学・事始め 　 (27) 「古き良き時代の親分」ニ題 　 (94) 森下雨村が語る横溝正史 -横溝正史を評した最初期の人- ・ほぼ週刊・本棚から横溝正史 　 (168) 『猿猴 川に死す』(森下雨村, 小学館文庫) 　 (169) 『探偵小説の父 森下雨村』(森下時男, 文源庫) ・横溝正史シソーラス(パイロット版) - 温故知新編 - 　 (2-02) ○森下雨村が語る横溝正史 　 (2-03) ○古き良き時代の親分

さて、次回の「ほぼ週刊・本棚から横溝正史」は…。 キーワードは「？？？」です。お楽しみに！

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