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寡黙なるエピソードたち - Kosuke Kindaichi's Saga - |
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太平洋戦争に従軍した金田一耕助。彼の見たものは、いったい何だったのだろうか。 ■1. 運命の出会い -等々力大志- 『悪魔が来りて笛を吹く』p.97 金田一耕助と等々力警部は、ずいぶん古い馴染みである。昭和十二、三年ごろ、警部の持てあましている事件を、横からひょっこりとび出した耕助が、みごとに解いてみせたことがあった。 ※東京に探偵事務所開設後のエピソードと考えられる。横溝正史は、等々力警部関連の事件記録を数多く記しているが、等々力警部と金田一耕助の出会いとなった事件記録を記していない。というよりは、その時期を曖昧にしている。「暗闇の中の猫」p.143に「この二重殺人事件がきっかけとなって、等々力警部と知り合いとなり、(略)」とあり、『悪魔が来りて笛を吹く』p.97と齟齬をきたしている。これは弘法も筆の誤りで、「…事件がきっかけとなって、戦後等々力警部と再会し」たと言いたかったのだと思います。 等々力警部との最終作『病院坂』は、金田一耕助最後の事件と銘打ち、あまりにも有名な事件記録となった。『病院坂』以降に執筆予定だった事件記録で、等々力警部との出会いのエピソードを語る予定だったのかもしれない。『本陣』で磯川警部との出会いを描き、『悪霊島』では磯川警部の人生を語ったように。 |
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