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 [302]   2016/3/22
■ 芦辺拓『金田一耕助、パノラマ島へ行く』(角川文庫よ5-203)刊行
  紹介が少し遅れて、誠に申し訳ございませんが、 2016年2月25日付けで、芦辺拓『金田一耕助、パノラマ島へ行く』(角川文庫よ5-203)が刊行されました。カバーイラストは杉本一文氏の画です。また「よ5」という文庫No.は、前作同様横溝正史文庫のナンバーを踏襲しており「203」となっています。前にも記しましたが、「200」まで横溝文庫がラインナップされる日が来ることを祈念したいところです(^^;)。

ちなみに帯には、次のように記されています。
 殺されたのは、明智小五郎 !?
 金田一耕助が、事件に挑む !

表紙カバー後側には、次にように作品が紹介されている。
志摩半島の近くに浮かぶ小島・パノラマ島。菰田家の当主である源三郎が造り上げた巨大な楽園は今や廃墟となっていた。建設会社社長の風間は、この地を一大ワンダーランドとする計画のもとに、旧友の金田一耕助を連れて島に渡った。翌朝、身元不明の殺人死体が発見される。唯一の手がかりは、帽子に刺繍された「……I KOGORO」の金文字。果たして殺されたのは、明智小五郎なのか――!?
二大名探偵による、夢の競演!

収録内容は、次の通り。
 「金田一耕助、パノラマ島へ行く」 (『小説 野性時代』2015/3-4月号掲載)
 「明智小五郎、獄門島へ行く」 (『小説 野性時代』2015/9-10月号掲載)

「あとがき―あるいは好事家のためのノート」に、次のように記されており(^^;)、サイト的には嬉しい限りである(p.234)。
ミステリ関連では老舗のウェブサイト「横溝正史エンサイクロペディア」で、金田一・明智競演ものに限って作中での推定年代順に並べた一覧を作ってくださったのをベースに、その他の乱歩・正史両巨匠(マエストロ)関連作品も加えると、次のようになります(「――」は年代不詳もしくは未設定のもの)。

そのリストは、下記のとおりになるそうです(p.235)。
 ――「少年は怪人を夢見る」(2000年発表) (1)
 大正10年「天幕と銀幕の見える場所」(2000年) (1)
 大正15年「屋根裏の乱歩者」(1994年) (1)
 昭和8年「《ホテル・ミカド》の殺人」(1995年) (2)
 昭和10年「金田一耕助 meets ミスター・モト」(2013年) (2)
 昭和12年「明智小五郎対金田一耕助」(2002年) (1)
 昭和16年「探偵、魔都に集う―明智小五郎対金田一耕助」(2014年) (2)
 昭和22年「明智小五郎対金田一耕助ふたたび」(2013年) (2)
 昭和3X年「黄昏の怪人たち」(1999年) (1)
 昭和3X年「金田一耕助、パノラマ島へ行く」(2015年) *本書収録
 昭和3X年「明智小五郎、獄門島へ行く」(2015年) *本書収録
 昭和39年「金田一耕助対明智小五郎」(2013年) (1)
 ――「瞳の中の女異聞―森江春策からのオマージュ」(2014年) (2)
 ――「物語を継ぐもの」(2014年改稿版) (2)
  (1)=角川文庫『金田一耕助VS明智小五郎』収録
  (2)=同『金田一耕助VS明智小五郎ふたたび』収録

さらに、末尾には気になることが記されている。
実は金田一・明智共演ものとしては先に掲げた作品リストの右端に位置しそうな設定のアイデアがあり、今回ボーナストラックとして加えようという話もあったのですが、諸般の事情で見送ることにしました。願わくは、この物語を書く機会が訪れますように……。

上述の作品リストの右端に位置しそうな設定のアイデアというのは、エピソード0(?):『本陣殺人事件』記載のサンフランシスコ放浪以前(?)ということでしょうか。楽しみは尽きません。楽しみにして待ちたいと思います。

『小説 野性時代』に2015/3-4, 9-10掲載の「金田一耕助、パノラマ島へ行く」と「明智小五郎、獄門島へ行く」が早くも文庫収録となりました。『ミステリーズ!』 vol.69, 70(2015/2, 4)掲載で、横溝正史関連では、等々力大志, 御子柴進, 宇津木慎介, 三津木俊助らが登場する「帝都探偵対戦」も収録されるのかなと期待したのですが、こちらは掲載誌の出版社が異なるためか、未収録となったのは残念です。

良質の横溝・金田一もののパスティシュで、喉の渇きを潤すことができるようになったことは、嬉しい限りです。横溝正史による新作(未収録作品や未発表作品)の刊行が、途切れて久しい今日この頃。今後、この横溝枯れに一矢を報いるものは登場するのでしょうか。金田一耕助以前に、横溝正史が創造した探偵に由利麟太郎がいる。金田一耕助に取って代わられるまで、横溝正史は由利先生ものを少なからず執筆している。こちらの方へもパスティシュの筆を振るってもらいたいところです。

関連ページ:
芦辺拓『金田一耕助VS明智小五郎』(角川文庫よ5-201)刊行
芦辺拓『金田一耕助VS明智小五郎 ふたたび』(角川文庫よ5-202)刊行
「金田一耕助、パノラマ島へ行く」が『小説 野性時代』2015/3-4月号に集中掲載
「明智小五郎、獄門島へ行く」が『小説 野性時代』2015/9-10月号に掲載
「帝都探偵対戦」が『ミステリーズ!』vol.69-70に連続掲載


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