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| [303] 2016/4/16 | |
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■ 辻真先「銀座某重大事件」 in 講談社文庫『名探偵登場!』(2016/4/15)
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2016/4/15付で、講談社文庫より『名探偵登場!』が刊行されました。2014/4刊行の単行本の文庫化です。単行本と同様に巻末にある、中条省平「解説 名探偵の登場が推理小説を生んだ」(p.388)には、辻真先「銀座某重大事件」について、こう記されています。 アニメ・特撮脚本の大御所にして推理小説界のベテランである辻真先の「銀座某重大事件」は、横溝正史の作りだした金田一耕助を登場させますが、同時に、辻真先自身が金田一耕助を客演させるかたちで書いた少年探偵・那珂一兵もの『怪盗天空に消ゆ』の後日談ともいえる作品です。太平洋戦争開戦前の東京・銀座を舞台に、小林多喜二虐殺などの現実の事件を交えて時代の空気を活写し、アメリカから帰国して『本陣殺人事件』に手を染める直前の金田一耕助外伝とするあたり、まことに堂々たる名人芸です。
『怪盗天空に消ゆ』の設定年代は、金田一耕助が郷里より上京し私大に通っていた頃の昭和7年でした。「銀座某重大事件」の方はというと、その5年後で、金田一耕助がアメリカ放浪から帰国後の昭和12年となっています。残念ながら、『怪盗天空に消ゆ』は絶版状態なので、興味のある方は古本にあたっていただくことになります(^^;)。「銀座某重大事件」に、 実はぼくも久保さんという人の援助を受けて、探偵事務所を開いたところなんだ とあります。また『怪盗天空に消ゆ』については、 渡米直前の耕助が巻き込まれ、当時カフェの使い走りだった一兵少年とともに解決にあたった"銀座男爵"事件 と、紹介されています。「銀座某重大事件」は、『本陣殺人事件』で語られる「某重大事件」のことのようです。横溝正史の金田一耕助と、辻真先の那珂一兵の、夢の共演第二章。ファンには嬉しい設定ゆえ、『怪盗天空に消ゆ』を文庫化・復刊願いたいと思うのは、私だけではないでしょう。ちなみに、『本陣殺人事件』には次のように記されています。 『本陣殺人事件』(角川文庫, p.83) 東京における金田一耕助の探偵事務所は、はじめのうちはむろん、商売にもならないらしかった。銀造のもとへおりおりよこす近況報告にしても、門前雀羅、事務所には閑古鳥啼き、主人公はあくびを噛み殺して、探偵小説ばかり読んでいる。というような、真面目なのか、ふざけているのかわからないようなのが多かったそうである。 ところが半年ほど経つうちに、手紙の調子がしだいに変わって来たかと思うと、ある朝、思いがけなく耕助の写真が大きく新聞に出ているのを発見して銀造は驚いた。何をやらかしたのかと思って読んでみると、その頃全国を騒がせていた某重大事件を見事解決した殊勲者として、新聞が大々的に提灯を持っているのであった。 | |
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関連ページ: ・『名探偵登場!』(講談社,2014/4/22)に、辻真先「銀座某重大事件」収録 ・雑誌『群像』2013年12月号に、辻真先「銀座某重大事件」掲載 | |
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