眠れる横溝よ、目覚めるがいい - 3. 失はれた影 -
深淵なる未完神の矢模造殺人事件|失はれた影|黒い蝶

眠れる横溝よ、目覚めるがいい  - 3. 失はれた影 -

発表:ホープ, 1950(S25)/1-5, 探偵小説(中絶)

第一回要約>◇前号の梗概(第二回分に掲載)

ホープ, 1950(S25)/1月号より引用
はしがき
犯人消失

 奇蹟の外科医といわれる整形外科の大家、野島博士の手術室で、奇妙な手術が行われた。 美女殺人事件の容疑者吉岡茂樹の顔をまったく別の人物に変えてしまったのだ。 そして茂樹は別人の坂本康雄として生まれかえった。
 それより一月ほど前、曙麻雀クラブに四人の男女が卓をかこんでいた。 いづれも、カーテン越しの隣のバー・アパッシュとクラブの経営者で界隈きっての 大親分古川組の身内、一人はバーの用心棒で『ゴリラ』と呼ばれる堀田、もう一人の男は 四尺そこそこの『一寸法師』の小林六蔵、女は姉の瑞枝と鈴代である。が四人は 隣の小室にいる古川親分の妾の満智子と吉川茂樹のことが気になっていた。 その室では茂樹が満智子に別れ話をもち出していたが、突然、電灯が消えた暗黒の中で 満智子が射殺された。四人は口をそろえて茂樹に自白をせまる。

第二回要約◇前号迄の梗概(第三回分に掲載,第二回目相当部分の抜粋)

ホープ, 1950(S25)/3月号より引用
キャバレー・サンチャゴ
黒眼鏡の客

満智子達四人姉妹の末の妹朱実はキャバレーサンチャゴの切符売場に働いていたが その美貌は他を排していた。さすがの古川親分にも手が出なかった。その朱実は 満智子が殺されてから失踪してしまった茂樹に日々高まる熱情を感じていた。 朱実は姉の死を悲しむより嫉妬めいた感情さえ持っていた。茂樹の愛犬ネロはその日 フト入って来た黒眼鏡の男にひどく甘えかかった。人々はこの様子に何かしら 黒眼鏡の男にゾッとするものを感じた。奥に入って鈴代とたわむれている黒眼鏡の男の 様子を見守っていた自称私立探偵深見準造はその男の顔の中に思わずギクリとするほどの すさまじい嘲りと憎悪を感じ深い疑問をもった。深見は二階にある古川親分の室に 入っていった。深見の「吉岡茂樹のことで」という言葉に古川親分は深見を更に 奥の室に招じ入れた。

第三回要約◇当方にて作成予定

ホープ, 1950(S25)/5月号より引用

恐怖の裸像

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