眠れる横溝よ、目覚めるがいい - 0. 深淵なる未完 -
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「神の矢」「模造殺人事件」「失はれた影」、これらは中島河太郎氏が
角川文庫『死仮面』巻末解説の中で、横溝正史の未完長編として挙げた作品である。
これらの作品を、深い眠りから呼び覚まそうではありませんか。 雑誌『宝石』に1962(S37)/7〜1963(S38)/2の間8回連載され、中絶となった『仮面舞踏会』は、 講談社『新版横溝正史全集17』(1974/11)で、本人により完結されました。 この経緯は、推理小説研究No.17(1983/9/30)収録「横溝正史の創作ノート」(山村正夫)に詳しい。 同じ雑誌『宝石』の1954(S29)/7に、１回目のみ掲載された「病院横町の首縊りの家」は、 金田一耕助最後の事件『病院坂の首縊りの家』として、「野性時代」(1975/12-1977/9)にて改稿・完結されました。 中絶作品「病院横町」は、鮎川哲也編『鯉沼家の惨劇』(光文社文庫,'98/3)に、 横溝正史の序編と岡田鯱彦・岡村雄輔による解決編競作が収録されました。 これらは、日の目を見ることができた中絶作品である。 その他の中絶作に迫るために、中島・島崎リスト記載されているデータを もう一度整理してみました。 | ||||||||||||||||||||||||
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「神の矢」「模造殺人事件」「失はれた影」の３作品とも、リストに記載されていることから、横溝正史書誌上すでに認知されているものであることがわかります。 中島リスト(1)の改訂版が(2)で、島崎版は1959(S34)年途中までのリストです。 中絶作品に関しては、３つのリストとも記述がほぼ同じですので、データソースは同じ可能性があります。文庫解説では触れられていなかった「黒い蝶」という、中絶作品があることがわかります。 それにしても、中絶作収録雑誌(?)，むつびとサンデー小説(「黒い蝶」1回目は入手済み)は、当方の調査ではそのタイトルすら発見出来ていません(^^;)。 調査は継続中ですが、当方の調査は行き詰まってきましたので、判明した内容を開示して、 広く情報提供を呼びかけたいと思います。 |
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