 『横溝正史少年小説コレクション2 迷宮の扉』 柏書房, 2021/8/5, 本体:2,800円+税 | ||||||||||||||||||||||||||||
収録作品は次の通り。
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刊本の帯には、次のように記されている。 金田一耕助の推理と冒険！ 怪奇と謎を解き明かす名探偵の活躍 横溝正史没後40年、シリーズ第２弾！ 第(2)回配本【全7巻】 ミステリ名作セレクション 完全オリジナルで甦る 横溝正史少年小説コレクション 全7巻！ 次回配本 (3)『夜光怪人』 (1)『怪獣男爵』 (4)『青髪鬼』 (5)『白蝋仮面』 (6)『姿なき怪人』 (7)『南海囚人塔』 柏書房サイトの『迷宮の扉』のページには、次の通り記されている。 没後40年、いまなお読者を魅了してやまない横溝正史の少年探偵物語を全7冊で贈るシリーズ第2弾に当たる本書には、おなじみの名探偵・金田一耕助が登場する3長篇と短篇2作を収録。 シャム双生児として生まれてきた兄弟をめぐる一族の愛憎劇と遺産相続争いが引き起こす連続殺人を描く表題作、ダイヤの入った黄金の小箱を狙って暗躍する仮面の怪人に金田一と少年が立ち向かう『仮面城』、奇術師姿の怪老人の予告通りに起きる児童連続消失事件の謎に少年探偵たちが挑む『金色の魔術師』――いずれも活劇的展開とミステリとしての意外性が横溢した傑作長篇3作に、短篇「灯台島の怪」「黄金の花びら」を収録。大人向けミステリの金田一耕助のイメージとはまたひと味違う存在感が魅力的な一冊。 今回も初刊時のテキストを使用、従来版でなされていた改変をオリジナルに復すとともに、刊行時の雰囲気を伝える挿絵を多数収録して完全復刻！ 
巻末の編者解説に、次の記載がある。横溝ブームのさなかに刊行された「名探偵読本8 金田一耕助」(79年11月/パシフィカ)は、角川文庫版作品集の大半を編んだ中島河太郎氏の編纂によるものだけに、各氏の評論、エッセイのみならず、作品リスト、事件年表などの資料も充実した読み応えのあるムックであった。 少年ものの観点からは、横溝ジュヴナイルの多くをリライトした山村正夫氏が、少年ものの系譜をまとめたうえで改訂作業の内幕を明かした評論「横溝正史のジュヴナイルと金田一耕助」が注目される。 本書には、夫人の山村陽子さんのご厚意で、この評論を巻末史料として収録させていただいた。当時の事情をうかがえるまたとない証言である。 横溝ブーム当時(1970年代〜80年代前半)に刊行された、『名探偵読本8 金田一耕助』(中島河太郎編, パシフィカ/プレジデント社, 1979/11)は、『幻影城増刊 横溝正史の世界』(1976/5)とならんで、私にとって横溝正史作品･書誌のバイブルであり、副読本だった。特に、山村正夫横溝正史のジュヴナイルと金田一耕助」に記された内容は、私にとっては衝撃的で、この評論を読んで以降、横溝正史オリジナルのジュヴナイル作品を探求するためには、何をどうすればよいかを考えるようになった。その評論が、こうして再び刊本に収録されたことは、横溝正史ジュヴナイル、ひいては横溝正史文学へ誘う羅針盤となり得るもので、実にありがたい。 ちなみに、パシフィカの『名探偵読本』全８巻で、私は海外の推理小説に登場する名探偵たちについて、知識を得ました(^^;)。 
巻末解説に記されている、創元推理倶楽部秋田分科会が発行した研究同人誌「定本 金田一耕助の世界《資料編》」の少年もの書誌とは、下記を指すものと考えられる。横溝正史ジュヴナイルの世界 横溝正史少年小説作品目録 資料提供・佐山達治、浜田知明, p.188-197 横溝正史少年小説収録書作品目録(現代小説のみ) 資料提供・佐山達治、浜田知明, p.198-208 横溝正史少年小説収録書関連資料 資料提供・浜田知明、柴田楽亭, p.209-265 少年小説作品索引, p.266-267 少年小説作品収録所索引, p.267-269 発行所別索引, p.269-270 
ちなみに、創元推理倶楽部秋田分科会発行研究同人誌『定本 金田一耕助の世界』には、《資料編》とは別冊で、《投稿編》がある。当方も寄稿していたりします(^^;)。次巻には、『幽霊鉄仮面』『夜光怪人』「怪盗どくろ指紋」「深夜の魔術師」「深夜の魔術師(未完作品)」と、未発表原稿「深夜の魔術師」「死仮面された女」が収録されるとのこと。 柏書房の『横溝正史少年小説コレクション』、次巻以降も楽しめそうである。 | ||||||||||||||||||||||||||||
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関連ページ： ・横溝考古学・事始め (55) 横溝正史ジュヴナイル作品 リスト補遺暫定版 ・ほぼ週刊・本棚から横溝正史 (60) 『名探偵読本8 金田一耕助』(中島河太郎編, 1979/11, パシフィカ) ・講演・執筆活動 - 横溝正史を読もう！ - |
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