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2026/3/5付で、川舟・漫画『本陣殺人事件』(KADOKAWA MASTERPIECE COMICS)が刊行された。帯の惹句は次の通り。
ミステリー界、原点にして頂点。
伝説と化した「金田一耕助シリーズ」第一作。
世界に誇るジャパニーズミステリーの金字塔を、
美麗に完全コミカライズ。
解説:山口直孝(二松学舎大学文学部教授)
帯の裏にある、解説からの抜粋が最大の賛辞のように思う。巻末解説は、「何度も読み返すべき「魔術」の書」のタイトル。その解説でも引用されているとおり、横溝正史は「探偵小説は二度読むべし」という主張の持ち主だった。
漫画版にも無駄なコマは1つもない。解明の過程を頭に入れ、もう一度最初からページを繰る時、読者は仕掛けの巧みさに感じ入ることになる。
私の知る範囲では、横溝正史『本陣殺人事件』のコミック化はJET, 長尾文子に続き宮川舟で、3度目のように思う。三者三様の解釈・描き方があって、実に面白い。
・JET・画『本陣殺人事件』 角川書店あすかコミックス, 1993/2「黒猫亭事件」併録
・JET・画『金田一耕助ベスト・セレクション2 本陣殺人事件』
角川書店あすかコミックスDX, 2002/6「車井戸はなぜ軋る」併録
・長尾文子・画『横溝正史ミステリーシリーズ 本陣殺人事件』
秋田書店サスペリアミステリーコミックス, 2004/5「迷路荘の怪人」併録
帯にある、『タイム』誌が選ぶ「史上最高のミステリー&スリラー本」オールタイム・ベスト100(The 100 Best Mystery & Thriller Books of All Time)選出。の記述が気になり、調べてみたところ、横溝正史『本陣殺人事件』を含む、日本作家の以下の6作品が選ばれていることが判明した。
・The Decagon House Murders:綾辻行人『十角館の殺人』
・The Honjin Murders:横溝正史『本陣殺人事件』
・Lady Joker, Volume One:高村薫『レディ・ジョーカー』
・Out:桐野夏生『OUT』
・The Devotion of Suspect X:東野圭吾『容疑者Xの献身』
・Six Four:横山秀夫『64(ロクヨン)』
このベスト100(101作品)には、クリスティ『アクロイド殺し』、ドイル『バスカヴィル家の犬』などに混じって、ドストエフスキー『罪と罰』、エーコ『薔薇の名前』、トム・クランシー『レッドオクトーバーを追え』や、ダフネ・デュ・モーリア『レベッカ』など、多彩な作品がリストアップされていた。
横溝正史作品のコミック化の次回作を、期待せずにはいられない。
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