『本陣殺人事件』草稿展示の説明に、横溝正史研究進捗に一端が窺え、嬉しく思いました。
本作執筆の際に横溝が、少年時代から買い集めた洋雑誌から着想を得ていたことが明らかになった。イギリスの大衆娯楽雑誌『The Premier Magazine』(1914〜1931)に掲載されたハリス・バーランド『緑の傘を持つ男』(原題「The Man with the Green Umbrella」)、『青銅の門』(原題「The Bronze Gates」)、イーデン・フィルポッツ『リボルバー』(原題「The Revolver」)の三作を踏まえ、「生涯の仇敵」のプロットを創り出した。名作誕生の背後に、イギリスの無名の小説があったことは興味深い。