横溝正史シソーラス(パイロット版) - 温故知新編 -
| 3-31 | ○新旧『東西ミステリーベスト１００』 |
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「死ぬまで使えるブックガイド」と称し、「東西ミス テリーベスト１００」（「週刊文春」二〇一三年一月四 日号臨時増刊）が掲載された（文春文庫『東西ミステリー ベスト１００』文藝春秋編／二〇一三年十一月）。 同誌の「総合ランキング 国内編」には、横溝正史作品 より、以下の五作品がランクインしている。 １位 獄門島 10位 本陣殺人事件 39位 犬神家の一族 57位 八つ墓村 75位 悪魔の手毬唄 「国内編作家別ベスト３０」でも、二位の島田荘司を ４９５点離し、横溝正史はダントツの一位（１２７６ 点）となっており、人気の高さと根強さを目の当たりに して、再認識できた。 同誌は、文藝春秋・編『東西ミステリーベスト１００』 （文春文庫／昭和六十一年十二月）の改訂版にあたるミ ステリーガイドで、元本は、昭和五十五年の「週刊文春」 誌上に発表されたランキングをもとに編集されている。 改訂前のオリジナル版にランクインしていた横溝正史 作品は、以下の五作品である。 １位 獄門島 ７位 本陣殺人事件 42位 悪魔の手毬唄 44位 八つ墓村 69位 蝶々殺人事件 両者を比較すると一目瞭然だが、改訂版では「犬神家 の一族」が新たにランクインしたものの、元本では六十 九位にランクインしていた「蝶々殺人事件」はランク外 となった。横溝正史の場合、現行本のない作品が数多く あるため、ランキングの対象になりにくい作品が多すぎ ると言わざるを得ない。 現在、長らく品切れ・絶版となっていたタイトルが 次々と再刊され、多くの横溝正史作品が新刊で入手可能 となっている。こういった現状を踏まえ、「東西ミステ リーベスト１００」の三冊目が編まれた際、「蝶々殺人 事件」がランキング内に復帰することを祈念したい。 |
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