 『公式 角川文庫横溝正史カバー画集』 杉本一文, KADOKAWA, 2025/12/1, 本体7,500円+税 | |
内容項目は次の通り。
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帯(前)には次のように記されている。 『犬神家の一族』『八つ墓村』『獄門島』…… 傑作はすべて、これら装画と共にあった 初収録を含む妖艶美麗な貴重原画120点超 ロングインタビュー、年譜も収録 角川書店創立80周年記念出版 そして、帯(後)には次のようも記されている。 1971年の『八つ墓村』第2版から、 横溝正史の角川文庫作品のカバー装画を手掛け始めた杉本一文。 その後も多数の横溝作品を手掛け、それらは当時の角川映画ブームが 牽引するなか支持を広げていった。 本書では、杉本が手掛けた、角川文庫を中心とした横溝作品の カバー装画などを120点以上収録！ 最初の仕事である『八つ墓村』の1971年版カバー画も画集初収録。 
雑誌『小説野性時代』2014年7月号に掲載された、「鬼火 オリジナル版」の扉絵まで収録(p.048)されいて、そういえばそうだったと再認識させていただいた次第。さっそく、当該雑誌(表紙がピンク地に俳優･二階堂ふみの写真)を押入れの奥深くから見つけ出し、特集「保存版 永遠の横溝正史」を懐かしく再読した次第。忘却の彼方でした。『八つ墓村』の1971年版カバー画も画集初収録とある。収録されているインタビューで、『八つ墓村』の1枚目も、もう手元に無いと思っていたのですが、今回探してみたら押し入れから出てきました(笑)。と語られており、「原画」を画集に初収録した旨と解しました。過去の画集にも収録されているので…。『八つ墓村』カバー画(書影)は、『定本 金田一耕助の世界』《投稿編》(創元推理倶楽部秋田分科会･編, 2003/12)の「インタビュー･杉本一文の秘密」でも、『八つ墓村』の書影を見て、『八つ墓村』の、こちらの絵が最初だったんですねの問いに対して、そうと回答している。 
蛇足を。杉本一文ではなかった話。CD『悪魔の調べ〜ミステリー映画の世界〜』(日本コロンビア, 1996)のジャケット画を、杉本一文が描いたものと思っていたことがあった。元のLPレコードをチェックした際、そのライナーノートには「イラスト・三島木将之」と記されているのに気づいた。よく似たタッチだけど、杉本一文が描いたイラストではないことを知った時は、個人的には衝撃的だった記憶がある(^^;)。
ですので、LPレコード『悪魔の調べ〜ミステリー映画の世界〜』(東宝レコード, 1977)のジャケット画は、当然ながら本画集に含まれていない。「横溝正史作品カバー画ほか」に掲載されていないものがいくつかあるなと思っていたら、後ろのページ「書影・データ一覧」があり、そちらに縮小版ながら全書影があることがわかりました。角川文庫緑304シリーズは、表紙の表裏で組になっていると思うので、合わせて収録していただきたかったなと思う次第。欲を言えば、芦辺拓の下記の角川文庫カバー画も収録していただきたかったところ(横溝正史の文庫No.の「よ5」シリーズで、ナンバリングされていることですし…)。 ・よ5-201『金田一耕助VS明智小五郎』2013/3 ・よ5-202『金田一耕助VS明智小五郎 ふたたび』2014/9 ・よ5-203『金田一耕助、パノラマ島へ行く』2016/2 
杉本一文へのインタビューには、先達がある。先に記した『定本 金田一耕助の世界』《投稿編》(創元推理倶楽部秋田分科会･編, 同人誌, 2003/12)の「インタビュー・杉本一文の秘密」がそれで、こちらは2002年4月に行われたもの。カバーアートの"秘密"を解き明かすべく行われた、インタビューの記録とある。この時、名前の「一文」を「いちぶん」と読むことを知った。関連ページ： ・ほぼ週刊・本棚から横溝正史 (145) 『イラストレーター杉本一文が描く 横溝正史の世界 図録』 (184) 『杉本一文『装』画集〜横溝正史ほか、装画作品のすべて』 (187) 『杉本一文 銅版画集』 (200) 『横溝正史&金田一耕助シリーズDVDコレクション』 カバーイラスト美術館 (241) 『杉本一文『装』画集 [新装版]』 ・「横溝」文庫の整理学 横溝文庫･表紙図鑑 雄弁なる画･スライドショー | |
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さて、次回の「ほぼ週刊・本棚から横溝正史」は…。 キーワードは「？？？」です。お楽しみに！ |
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