浜田知明「「鬼火」、通読のためのテキスト」(『新青年』趣味第10号,『新青年』研究会,Dec/2002)の注記欄に、横溝正史の別名義・作品として、
川崎七郎「桐屋敷の殺人事件」が紹介されたことは記憶に新しい。
2004年9月15日付けで刊行された、横溝正史探偵小説コレクション (1)『赤い水泳着』(出版芸術社)の巻末に収録されている、「作品リスト」でも、川崎七郎名義「桐屋敷の殺人事件」(「新青年」1928/7)が、横溝正史の別名義としてリストアップされている。 実は、「桐屋敷の殺人事件」掲載の約2年後、同じ雑誌「新青年」1930(S5)年11月号 (第11巻14号)に、川崎七郎名義の短篇「巽甚兵衞の古鞄」が収録されているのは、 あまり知られていない。 |
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『新青年』の該当号(昭和5年11月号,第11巻14号)を入手するのは困難ですが、
本の友社より復刻版が刊行されていますので、早速、図書館でチェックしてみました。 私が読む限り、横溝テイストを強く感じさせる作品でした。 政治ミステリとでもいえばいいのでしょうか。 全くの別人の可能性ももちろんあるが、川崎七郎「巽甚兵衞の古鞄」は、 横溝作品ではと、感じること然り。ですが、別人であるとの情報提供が 複数ありました。どれも同じソースのようで、根拠がイマイチはっきりしません。 それだけ、別名義の場合は、判定が難しいということだと思います。 「巽甚兵衞の古鞄」の存在を示唆いただいた、襟裳屋さんに 御礼申しあげます。 |
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横溝正史の別名義をご存じの方、 ぜひご一報ください。 |
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