『スペードの女王』(角川文庫緑304-31, 1976/2)「K･K病院にて」, p.108 「いやあ、はじめまして。わたしこそ一度先生のご謦咳に接したいと思っていたところでした。ここでお眼にかかれて光栄です」 「謦咳」は、「けいがい」と読む。 「謦」「咳」ともに「せき」の意で、「謦」は軽いせきばらい、「咳」は重いせきばらいを表すようです。「謦」と「咳」を組み合わせて、せきばらい一般を表す「謦咳」という熟語になっています。 横溝正史の使った「謦咳に接したい」とは、 間近でせきばらいを聞くということから、尊敬する人に直接話を聞く、お目にかかるの意味になるようです。 
横溝正史の「謦咳」は、『文豪の凄い語彙力』(山口謠司, さくら舎, 2018/4)で、下記の通り記されている。第1章 今日から使ってみたい文豪の言葉 謦咳 先生のご謦咳に接したい 横溝正史, p.60-63 お目にかかれてありがたい気持ち, p.61-62 咳＝喉に種が張りつくような不快感, p.62 関連ページ： ・ほぼ週刊・本棚から横溝正史 (205) 『文豪の凄い語彙力』 山口謠司, さくら舎, 2018/4 (213) TJMOOK『文豪のすごい言葉づかい辞典』 山口謠司, 宝島社, 2020/4 |
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