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「週刊文春ミステリーベスト10」(文藝春秋)
「このミステリーがすごい!」(宝島社)
「ミステリが読みたい!」(早川書房)
「本格ミステリ・ベスト10」(探偵小説研究会/原書房)
の海外編で、近年常に上位にランキングされている、アンソニー・ホロビッツの作品群。
その中で、2025年版ランキングでも上位となっている『死はすぐそばに』(創元推理文庫2024/9, 山田蘭訳, 原題:Close to Death, ホーソーン&ホロヴィッツシリーズ第5作)の作中に、横溝正史『本陣殺人事件』への言及があることに気づいた。この類まで紹介し始めると、きりがありませんが…。
近年になってわたしは、再興の密室ミステリは日本から生まれていると考えるようになった。島田荘司の『斜め屋敷の犯罪』、あるいはこの分野の名手であり、八十編近くもの作品を書いている横溝正史の『本陣殺人事件』をぜひ読んでみてほしい。どちらもすばらしく精緻で鮮やかな作品だ。前者では、物語の設定が犯罪の共犯となる。後者は、水車の回るガッタンゴットンという響き、そしてコト(ツィターに似た楽器)の奏でる調べという、どちらも物語に深く組みこまれた音が胸に残る。とてつもない才能だ。現実の生活からかけ離れているのは確かだが。
ちなみに、原文では上記箇所は次のように記されている。
It's my belief that, these days, the best locked-room mysteries come from Japan. Try Murder in the Crooked House by Soji Shimada, or The Honjin Murders by Seishi Yokomizo, a true master of the art and the author of almost eighty books. They are both fiendish and elegant. In the first, the entire setting becomes an accomplice to the crime. As for the second, the gurgle of the waterwheel and the music played on the koto (a sort of zither), both integral to the plot, will always stay with me. Sheer genius. But far removed from real life.
"the gurgle of the waterwheel"を「水車の回るガッタンゴットンという響き」と訳されていて、なるほどと思いました(^^;)。
巻末解説においても、以下の記述がある。
日本のミステリ読者にとっては、島田荘司の『斜め屋敷の犯罪』や横溝正史の『本陣殺人事件』に言及する第六部も興味深い。
横溝正史『本陣殺人事件』英訳版"The Honjin Murders"の刊行は、当サイトでも紹介させていただいた。島田荘司『斜め屋敷の犯罪』は、"Murder in the Crooked House"として英訳版が刊行されている。解説では、ホロヴィッツが読んでいる日本の作家として、桐野夏生や東野圭吾も挙げられている。それぞれ、『OUT』→"Out", 『容疑者Xの献身』→"The Devotion of Suspect X"の英訳版がある。
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