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■ 『真山仁が語る横溝正史　私のこだわり人物伝』刊行！

'10/7/25付けで、角川書店より『真山仁が語る横溝正史　私のこだわり人物伝』(横溝正史・真山仁, 角川文庫わ11-5)が刊行されました。

巻末解説に記載されているように、本書は、2008年6月、NHK教育テレビの番組『知るを楽しむ～私のこだわり人物伝～』「横溝正史日本を見つめた探偵小説家」の放映に合わせて刊行されたテキストを文庫化したものですが、改稿、加筆(p.210)してあるようです。さらに、金田一ものの短編が三作収録されています。

表紙カバーに、次のように記されています。
『犬神家の一族』『八つ墓村』『獄門島』などの作品で、70年代に一大ブームを巻き起こした横溝正史。しかし真山仁は、「日本が深刻なアイデンティティ・クライシスの時代を迎えようとしている今こそ、横溝作品が必要とされている」と説く。現代社会の深層に斬り込む気鋭の小説家が語る、横溝作品の真髄とは－－。横溝の短編小説「猫館」「蝙蝠と蛞蝓」「百日紅の下にて」を収録。「私のこだわり人物伝」シリーズ第５弾。

また帯にも次のように記されています。
　人々が自信を失った今こそ横溝作品が必要とされる！

■『真山仁が語る横溝正史　私のこだわり人物伝』　目次

真山仁が語る横溝正史	p.11
アイデンティティ・クライシス時代の救世主	p.11

第1章　今こそ『獄門島』を読め！	p.14
完璧に揃った"面白い小説"の要素	p.14
孤島という異空間	p.15
読者を呪縛にかける	p.18
全編が読者への挑戦状	p.19
日本の伝統美も謎の道具に	p.21
死さえ美を感じさせる	p.22
シェイクスピア級の悲劇	p.24
読者を打ちのめす絶望	p.25
今こそ『獄門島』が読まれる時代	p.27

第2章　逆境に燃えた小説家魂	p.29
夭逝した兄への思慕で小説に傾倒	p.29
流転した作風	p.31
戦争という"第二の挫折"	p.34
日本ならではの探偵小説を書きたい	p.36
疎開というピンチをチャンスにした	p.39
「さあ、これからだ！」	p.41
疎開が稀代の探偵作家を生んだ	p.44
超然として孤立していた	p.46

第3章　名探偵金田一耕助	p.50
探偵よりも事件が主役	p.50
主役・金田一の意味	p.52
金田一は、自身の分身	p.53
事件を止められない傍観者？	p.55
切ない想いを抱いて去る探偵	p.56
日本人が失ったものを拾い続けた人	p.57

第4章　時代を超越した小説　対論/角川春樹	p.60
遺族に会うつもりが本人が出てきた	p.61
新たな全盛期をつくる	p.64
「犬神家の一族」の勝算	p.69
ブームはまたやってくる	p.74

【短編再録】　猫館	p.81
【短編再録】　蝙蝠と蛞蝓	p.123
【短編再録】　百日紅の下にて	p.157

あとがき　憧れから畏怖へ　　真山仁	p.204

再録された短編作品は、以下の角川文庫に収録されています。
・猫館　：　『七つの仮面』(緑304-66, 金田一耕助ファイル14)
・蝙蝠と蛞蝓　：　『死神の矢』(緑304-33, 『人面瘡』金田一耕助ファイル6)
・百日紅の下にて　：　『殺人鬼』(緑304-42)

関連ページ：
　・NHK教育『知るを楽しむ』「横溝正史日本を見つめた探偵小説家」'08/6月放送！

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