2024年5月 JR東日本四季劇場[秋]にて、ミュージカル「ゴースト&レディ」の世界初演の幕が上がった。「ゴースト&レディ」は、藤田和日郎『黒博物館 ゴーストアンドレディ』(講談社「モーニング」)を原作とした最新ミュージカルである。公演期間：2024年5月6日〜11月11日(期間限定) 場所：JR東日本四季劇場[秋] 演出：スコット・シュワルツ 脚本・歌詞：高橋知伽江 作曲・編曲：富貴晴美 フライヤーには、次の惹句が記されている。 |
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この愛は絶望を知らない。 ―彼女は皆を救いたかった。彼は誰かを信じたかった。― 劇団四季が新たに贈る、命と絆の超大作。 |
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さらに、次の文章がある。 看護に一生を捧げたフローレンス・ナイチンゲール(フロー)。その傍にはある特別な存在があった…。劇団四季が新たに贈るのは、劇場のゴースト グレイと令嬢フローが深い絆で結ばれ、逆境に立ち向かって信念を貫こうとする姿を、史実を織り交ぜながら描いた大作です。原作は「うしおととら」「からくりサーカス」で知られる人気漫画家 藤田和日郎氏の代表作「黒博物館 ゴーストアンドレディ」。 |
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このミュージカルの主役はフローレンス・ナイチンゲール。Wikipediaで次のように紹介されており、学校の図書室にあった「世界の伝記」シリーズなどで、子供のころ読んだ人物の一人である。 クリミア戦争での負傷兵たちへの献身や統計に基づく医療衛生改革により著名で、「ランプの貴婦人(the lady with the lamp)」の別称がある(日刊紙タイムズの1855年2月8日版に掲載された内容から)。「光掲げる貴婦人」「クリミアの天使」とも称される。 
横溝正史に、そのナイチンゲールを冠した「博愛の天使 ナイチンゲール」という作品があるのをご存じだろうか。「クリミヤ戦争美譚 博愛の天使 ナイチンゲール」は、 『少年少女譚海』昭和3年(1928)4月号の別冊読本として発行され、どの刊本にも収録されることなく21世紀に至り、『横溝正史探偵小説選V』(論創ミステリ叢書100, 論創社, 2016/7/30)に初収録された、横溝正史唯一の偉人伝記作品である。劇団四季ミュージカル「ゴースト&レディ」観劇の予習復習として、藤田和日郎『黒博物館 ゴーストアンドレディ』上下巻と合わせ、横溝正史の「博愛の天使 ナイチンゲール」を再読した次第。横溝正史「博愛の天使 ナイチンゲール」は短編作品ゆえ、数行で記されたエピソードを、ミュージカル「ゴースト&レディ」では原作同様に、ストーリーを楽曲とそれを歌うキャストの重畳によって表現されており、楽しく観劇できた。帰途では、劇中何度も流れたメロディが頭の中でリフレイン状態に。いずれ再観劇したいと思う。 こういった横溝正史作品へのアプローチもありかなと、思う今日この頃。 関連ページ： ・「横溝考古学・事始め」 (73)「博愛の天使 ナイチンゲール」を読む -21世紀に蘇生- ・横溝正史関連ニュース&トピックス 論創社『横溝正史探偵小説選V』【論創ミステリ叢書100】刊行！ |
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