『別冊文芸読本 日本の名探偵』　 - ほぼ週刊・本棚から横溝正史 -

『別冊文芸読本 日本の名探偵』 横溝正史編, 河出書房新社, 1980/2/29, 本体780円

内容項目は次の通り。 　編者のことば　名探偵今昔, 横溝正史, p.2 　三河町の半七　三つの声, 岡本綺堂, p.5 　釘抜藤吉　槍祭夏の夜話, 林不忘, p.17 　　半七と右門のあいだ, 都筑道夫, p.28 　近藤右門　南蛮幽霊, 佐々木味津三, p.29 　　目明しと岡っ引き, 林美一, p.43 　銭形平次　たぬき囃子, 野村胡堂, p.45 　　平次身の上話, 野村胡堂, p.57 　仙波顎十郎　遠島船, 久生十蘭, p.59 　　海妖, 牧逸馬, p.71 　若さま侍　霊亀香人形供養, 城昌幸, p.73 　　十手と朱房, 林美一, p.83 　明智小五郎　幽霊, 江戸川乱歩, p.85 　　名探偵「明智小五郎」の生家発見, 京都新聞記事, p.95 　帆村荘六　俘囚, 海野十三, p.97 　　海野十三氏の処女作, 横溝正史, p.111 　法水麟太郎 聖アレキセイ寺院の惨劇, 小栗虫太郎, p.113 　大心池先生 夜の翼, 木々高太郎, p.127 　　ミステリーと私, 林光, p.137 　金田一耕助 百日紅の下にて, 横溝正史, p.139 　　一人の金田一耕助の死, 横溝正史, p.157 　加賀美敬介 怪奇を抱く壁, 角田喜久雄, p.159 　巨勢博士 選挙殺人事件, 坂口安吾, p.177 　　私の探偵小説, 坂口安吾, p.189 　神津恭介 原子病患者, 高木彬光, p.191 　鬼貫警部 古銭, 鮎川哲也, p.205 　　本書収録名探偵の主要登場作品 I, p.219 　仁木雄太郎 黄色い花, 仁木悦子, p.221 　　雄太郎と悦子のこと, 仁木悦子, p.239 　中村雅楽 車引殺人事件, 戸板康二, p.241 　陶展文 ひきずった縄, 陳舜臣, p.255 　　本書収録名探偵の主要登場作品 II, p.266 　　表紙･目次･扉･本文カット=山下勇三 　　目次裏写真=榊原和夫 　　著者･探偵紹介=新保博久

表見返しの文章を抜粋する。 「文芸読本」シリーズは、明治以来の近代文学を中心に、古典、外国文学などを新たな視野から捉え直し紹介してきましたが、このたび横溝正史氏の御協力を得て、捕物帳から現代物まで、日本ミステリー史上に輝やく名探偵十八人の活躍する代表的名推理短篇を精選し、その変遷を辿ってみました。推理小説の歴史と醍醐味を十二分に味われんことを！ 横溝正史による、編者のことば「名探偵今昔」に、次のように記されている。 私の探偵小説読書歴を振り返ってみると、「小学四年生」という雑誌に連載されていた三津木春影の「呉田博士」という読切り連載が最初であった。 (略) 私がこの世で持った最初の愛読作家が、三津木春影だったということ(略) 横溝少年が愛読した、三津木春影「呉田博士」は、現在では『探偵奇譚 呉田博士【完全版】』(三津木春影著, 末國善己編, 作品社, 2008/7)で、全編通読可能である。 2022年6月10日付で、河出文庫より『横溝正史が選ぶ日本の名探偵 戦前ミステリー篇』 『横溝正史が選ぶ日本の名探偵 戦後ミステリー篇 』の２冊が刊行された。本書はその親本になるが、『別冊文芸読本 日本の名探偵』では名探偵18人が紹介されているが、文庫化の際、1人増えて19人となっていることにお気づきだろうか。そう、人形佐七が追加されている。

関連ページ： 　・横溝正史関連ニュース&トピックス 　　河出文庫『横溝正史が選ぶ日本の名探偵』計2冊、2022/6刊行！

さて、次回の「ほぼ週刊・本棚から横溝正史」は…。 キーワードは「？？？」です。お楽しみに！

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