『金田一耕助自由研究 vol.3』　 - ほぼ週刊・本棚から横溝正史 -

『金田一耕助自由研究 vol.3』 神保町横溝倶楽部･編, 私家版, 2015/8/14, 定価:900円

内容項目は次の通り。 　■特集 『犬神家の一族』 　　研究 『犬神家の一族』章立ての変遷, p.6-8 　　研究 登場人物の年齢から見る『犬神家の一族』の側面, 　　　　木魚庵, p.9-11 　　研究 『犬神家の一族』 　　　〜推敲時と雑誌連載・現行版での加筆修正について〜, 　　　　かじゃま, p.12-21 　　コラム　佐兵衛のアルバム, 木魚庵, p.22-23 　　研究 若林は何故殺される, 築地つぐみ, p.24-27 　　研究 静馬が震える…不気味に, 夜寝る, p.28-35 　　コラム　あゝ野麦峠 −犬神財閥隆盛の陰で−, 野地嘉文, p.36-39 　　研究 佐兵衛の遺言, エスカルゴ, p.40-49 　　研究 二本の手ぬぐいから, 康綺堂, p.50-55 　　コラム　あなたにもできる！逆さま死体を八の字開脚させる方法, 　　　　夜寝る, p.56-58 　　研究 家紋表現に見る「犬神家」の考察 　　　〜映像作品を中心に〜, 山本千壽, p.59-69 　　研究 金田一耕助の推理は本当に間違っていたのか？, 　　　　tokyo-zodiac, p.70-79 　　研究 猫歩く 　　　〜金田一作品における猫たちの肖像〜, 都の商売人, p.80-85 　　コラム　金田一耕助VS爆笑問題, おなにすと, p.86-87 　　研究 金田一耕助がメランコリーになった訳, 　　　　お笑いループシュート, p.88-85 　　コラム　改稿履歴の重箱の隅, 風々子, p.96-98 　　研究 悪霊島　〜一つの解釈, ベル紫, p.99-111 　　コラム　「聾唖者口をきくの辯」について, 木魚庵, p.112-114 　　横溝正史×杉本一文2　黒枠の外へ, 元木友平, p.115-120 　　　附･「横溝正史×杉本一文」年譜, 編･元木友平, p.121-130 　　コラム　木魚氏の蒐集品　幻の横溝メンコを探せ！の巻, 　　　　木魚庵, p.131 　　コラム　横溝正史関連2014年のリリース･活動記録, 木魚庵, p.132 　　　制作に携わった人びと, p.133-135 　　　奥付, p.136

時間を忘れて、熟読してしまいました(^^;)。さっそく、『犬神家の一族』を再読したいと思います。 『横溝正史研究5』(戎光祥出版, 2013/3, p.24)収録の「『犬神家の一族』生成の現場−草稿からたどる構想の軌跡」で紹介され、今回の「『犬神家の一族』〜推敲時と雑誌連載・現行版での加筆修正について〜」でも引用･紹介されている、『犬神家の一族』連載前の「作者の言葉」(「キング」昭和24年12月号)が衝撃的である(p.12)。 呪われた犬神家は、いま三家にわかれて、東京と、信州と、瀬戸内海の一孤島に住んでいる。その総本家へ、若い当主が復員して来た。かれの復員は、果して犬神家の一族によろこびをもたらしたであろうか。いや、事実はその反対であった。かれの復員こそは、犬神家の一族に名状することの出来ぬ恐怖と戦慄をもたらし、やがてそれは、世にも奇怪な殺人事件の数々へと発展していくのである。作者はこの小説のなかで、血も凍る恐怖の世界と、ギラギラするような美しさと同時に、推理の糸の面白さを描きつくしたいと思っている。ご愛読を賜らんことを。 瀬戸内海の一孤島に住んでいるという、犬神家の方々はどうされているのでしょうか。気になります、とっても(^^;)。 コラムで紹介された、「聾唖者口をきくの辯　「鏡が浦の殺人」の質問に答えて」という、横溝正史の短文は初見でした。現行の「鏡が浦の殺人」は初出原稿から加筆されたもので、その加筆理由が読者からの質問によるものだったとは。該当箇所の初出内容も記されており、これを踏まえて「鏡が浦の殺人」も再読したいと思う。 神保町横溝倶楽部では、『「1000人の金田一耕助」に行ってきました!〜巡･金田一耕助の小径〜』(2015/8/14)という、同人誌も作成しています。こちらは、岡山県倉敷市にて毎年11月に開催されている、「1000人の金田一耕助」イベントをカラー写真盛りだくさんで紹介･レポートしていて、そちらも楽しめます。私事ですが、2002年(生誕百年)に一度だけ、真備町を散策したことがありますが、このイベントには一度も出かけたことがないのが残念です。 関連ページ： 　・横溝考古学・事始め　(63)　岡山県真備町を歩く　- 横溝正史疎開先 -

さて、次回の「ほぼ週刊・本棚から横溝正史」は…。 キーワードは「？？？」です。お楽しみに！

横溝正史関連書籍をご存じの方、 耳寄りな情報をお待ちしております。

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