真・横溝全集を編纂するためには… - 4. 生誕百年へ -
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現行の角川文庫と春陽文庫に収録されている作品だけでは、横溝正史文学を語ることは
できない。最後の探偵作家の偉業は包み隠さず全てを出版・刊行して、現在の読者に
問うべきである。横溝正史の作品は、紛れもなく21世紀へ語り継いでいくべき作品群である。 2002年は、横溝正史生誕百周年である。 これに合わせて、全集刊行スケジュールを組んではどうだろうか。 この全集は、コンパクトで安価な文庫でぜひ実現してもらいたい。 そして品切れ絶版なしで、版を重ねていってほしい。 出版社は採算性を考えるだろうが、文化的社会的な価値に比べれば小さなこと。 薄っぺらなページ数では、冊数だけ増えてしようがない。やるからには、 ちくま文庫の全集シリーズのように、平均６００ページ弁当箱の厚さで統一して ほしいものだ。角川文庫を並べると分かるが、厚さが不揃いで見た目がわるい。 表紙は、角川文庫でおなじみの杉本一文氏の新作画にしてはどうだろうか。 本文の挿絵は、初出誌などに掲載されたものを使っていただきたい。 竹中英太郎や松野一夫の画に触れてこそ、横溝文学の真髄を知ることができると いうものである。 全集の目次編纂をホームページ上で行う予定です。 本文はそれぞれの出版物に当っていただくこととして、どういう風な単位で作品を 収録することが、横溝全集としてよいかを考えてみたい。 真・横溝正史全集の目次編纂を、『横溝正史エンサイクロペディア』では、昨今の横溝作品文庫の品切れ・絶版状態に対する警鐘のためにも 実現したいと思う。 |
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