 『横溝正史少年小説コレクション6 姿なき怪人』 柏書房, 2021/12/5, 本体:2,800円+税 | ||||||||||||||||||||||
収録作品は次の通り。
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刊本の帯には、次のように記されている。 悪に挑む 少年探偵の大活劇！ 初のオリジナル版での収録となる三連作 横溝正史没後40年、シリーズ第６弾！ 第(6)回配本【全7巻】 ミステリ名作セレクション 完全オリジナルで甦る 横溝正史少年小説コレクション 全7巻！ 次回完結！初単行本化作品 (7)『南海囚人塔』 (1)『怪獣男爵』 (2)『迷宮の扉』 (3)『夜光怪人』 (5)『青髪鬼』 (5)『白蝋仮面』 (6)『姿なき怪人』 柏書房サイトの『姿なき怪人』のページには、次の通り記されている。 人にその素顔を知られることなく、神出鬼没・大胆不敵な宝石強奪を成功させる『まぼろしの怪人』、自らの欲望のためには殺人をも辞さず、ついには幼き姉妹へと魔手を伸ばす『姿なき怪人』、「顔のない男」とまで称される変装術を駆使して犯行を重ねる紳士盗賊『怪盗X・Y・Z』――人々を恐怖に陥れる犯罪者たちに御子柴進少年と三津木俊助、そして警視庁の等々力警部が立ち向かう！ 中学生向け学年誌に連載された三作品を、初出誌のテキストに準拠して完全復刻。 なかでも『怪盗X・Y・Z』は、最終話「おりの中の男」を含む全4話収録の形での刊行はこれが初めてとなる。あらゆるミステリ好きに贈るシリーズ第6弾！ 編者解説に気になる記述を見つけた。 角川文庫の横溝正史作品は基本的に黒地に緑で背表紙にタイトルが入っているが、《人形佐七捕物帳》傑作選ではタイトルが赤、少年ものではタイトルが黄色で入って差別化がなされている。しかし、『怪盗X･Y･Z』は少年ものであるにもかかわらず、一般作品と同じ緑で背のタイトルが印刷されており、本棚に並べた時には違和感があった。 山村正夫氏の同書解説には、刊行の経緯がこう記されていた。 ところで、横溝先生のジュヴナイルは、これまでに「怪獣男爵」や「黄金の指紋」など十三冊が当社から刊行されている。実際にはまだ何作か、学年物雑誌や少年雑誌に連載された作品があったのだが、先生の手許に残されていた切抜きのうち何回分かが欠落したままになっていたため、一冊にまとめることができなかった。 今回、御長男の横溝亮一氏の御尽力により、その欠落部分の写しを版元で入手し、首尾を整えた作品を新たに数篇揃え得た。 84年から85年にかけて、角川文庫から『怪盗X･Y･Z』『姿なき怪人』『風船魔人･黄金魔人』と、これまで未刊行だった少年ものが三冊出たのは、こうした事情によるものであった。 ただし、角川文庫版の刊行時には第四話「おりの中の男」の存在が見逃されたようで、第三話までしか収録されていない。「おりの中の男」は2008年10月に論創ミステリ叢書から出た『横溝正史探偵小説選II』に初めて収録された。 本シリーズは角川文庫未収録の作品を大量に単行本化し、まだ現行本として購入できる『横溝正史探偵小説選』とは重複を避けて編集している。柏書房《横溝正史少年小説コレクション》七巻と論創社《横溝正史探偵小説選》五巻を揃えれば、現在、存在が確認されている横溝正史の少年少女向け小説はすべて読める、ということになるはずだ。 しかし、同一の連作であることを考えると、「おりの中の男」だけは論創社の単行本で読んでください、というのは、読者に対してかえって不親切なので、論創社編集部とも協議して、これだけは重複して本書にも収めることにした次第。読者の皆さんのご了解をいただければ幸いである。 もちろん、OKです(^^;)。 
『横溝正史少年小説コレクション5 白蝋仮面』(柏書房, 2021/11)で、角川スニーカー文庫として、『怪獣男爵』『夜光怪人』『まぼろしの怪人』『真珠塔･獣人魔島』『幽霊鉄仮面』『青髪鬼』『蝋面博士』の計7冊が復刊された折、刊行された雑誌『The Sneaker '95/12/5』(野性時代1995年12月増刊/ザ･スニーカー)の「大特集 横溝正史が甦る!!」を紹介させていただき、「インタビュー "夫"としての横溝正史」(横溝孝子)だけでなく、JETスペシャルインタビュー, 「中島梓のサインくれなきゃ帰らない！横溝正史の巻」なども、合わせて収録していただきたかったと記していたが、JETスペシャルインタビューが本書に収録されたことはありがたい。柏書房『横溝正史少年小説コレクション』は、次巻『南海の太陽児』改め『南海囚人塔』にて完結となるが、「南海の太陽児」「南海囚人塔」(単行本初収録)「黒薔薇荘の秘密」「謎の五十銭銀貨」「悪魔の画像」「あかずの間」「少年探偵長」(海野十三遺作を引き継いで完成)が収録されるとのこと。 柏書房の『横溝正史少年小説コレクション』、完結巻も楽しめそうである。 | ||||||||||||||||||||||
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関連ページ： ・ほぼ週刊・本棚から横溝正史 (107) 『The Sneaker'95/12/5(野性時代12月増刊/ザ･スニーカー)』 ・横溝正史アーカイブス (213) 論創社『横溝正史探偵小説選 II』[論創ミステリ叢書36]刊行！ 〜 『怪盗X･Y･Z』 幻の第4話、初収録 |
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