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紹介が遅れてしまいましたが、別作家による「金田一耕助」登場作品が、
刊行されています。2002年は横溝正史生誕百年です。その年に、金田一耕助ものの
新作が読めるとはうれしい限りです。
◆山田正紀『僧正の積木唄』(文藝春秋,2002/8)
帯には、次のように記されています。
僧正殺人事件は終わっていなかった−。反日感情が日ごとに高まるニューヨークで、
贖罪の山羊に供されんとする日本人を救うため、あの名探偵が立ち上がった！
黄金期本格の香りが21世紀に甦る書き下ろし長篇
「僧正殺人事件」(S･S･ヴァン･ダイン)＋金田一耕助(横溝正史)＝！？
『本陣殺人事件』の数年前、金田一耕助アメリカ放浪時代のエピソードという設定で、
「僧正殺人事件２」(The Bishop Murder Case, Again)が描かれています。
久保銀造の要請にニューヨークまで赴き、S･S･ヴァン･ダイン「僧正殺人事件」で
ファイロ･ヴァンスが示した謎解きに異論を唱え、新真犯人の可能性を示唆し、
さらに今回の事件の謎解きをしています。
◆芦辺拓『明智小五郎対金田一耕助 名探偵博覧会II』
(原書房, 2002/12)
帯には、次のように記されています。
だれもが読みたかったこの場面！
我が国の誇る二大名探偵が
商都大阪の殺人事件を舞台に推理合戦！
著者には、金田一耕助アメリカ放浪時代のエピソードとして、
「《ホテル・ミカド》の殺人」(『名探偵博覧会 真説ルパン対ホームズ』
原書房,2000/4)があります。今回はさらに、
横溝正史が執筆することのなかった大阪(もしくは関西)でのエピソードを、
タイトル通り、二人の名探偵の推理対決として描いています。時は昭和十二年、
『本陣殺人事件』直前のことのようです。
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