渦巻く濃霧　 - 横溝正史 温故知新 -

語り始め	三千男はふと、隣室の話聲に眼をさました。とろとろと、いゝ心持ちに眠り
作品概要	曲馬団から逃げた三千男の冒険譚。彼の素性は最後に明かされます。 各節タイトル 　　報酬五萬圓 　　逃亡者 　　恐ろしき鞭 　　上海仙右衛門 　　不二雄を探せ 　　自動車の婦人 　　芳川伯爵家 　　怪しい手 　　尾行 　　第三の男の出現 　　奈美子誘拐さる 　　白痴の少年 　　奈美子の行方 　　虎穴に入らずんば 　　箱の中に 　　箱の中 　　一難のがれて又一難 　　取違へられた箱の中 　　あゝ倉庫は灰燼に 　　総ては灰燼に 　　白痴少年不二雄 　　扉の外の聲 　　意外なる聲の主 　　片目の虎の告白 　　目出たく親子の名乗
初　出	雑誌「少年世界」1928(昭和3)年1月号〜8月号
収録図書	上記各節タイトルは、 平凡社『少年冒険小説全集 第十二巻』1929(昭和4)年12月収録 に拠った。 別題「まぼろし曲馬団」
アプローチ	※三千男と不二雄の人物入れ替えに、すぐ気づくことでしょう。 最後の節になって、ようやくタイトルの「渦巻く濃霧」の意味がわかります。 この作品は後に「まぼろし曲馬団」の改題されています。本作を読むことができ、 「まぼろし」に込められた意味がわかったような気がします。
トピック	ポプラ社刊『まぼろし曲馬団』(1955)に収録されていますが、 お目にかかりません(^^;)。

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