 『異端作家のアラベスク』 中田耕治, 青弓社, 1992/7/30, 定価2000円+税 | |
内容項目は次の通り。
| |
|
本書は、おそらく刊行当時頃には、すでに図書館でチェック済みだったと記憶する。何故サイトで紹介することを怠っていたかは忘却の彼方。このところで、近くの図書館で調べものをしていて、偶然本書に目に留まった次第。 小栗虫太郎, 夢野久作, 谷讓次, 渡辺啓助, 江戸川乱歩, 横溝正史, 日影丈吉, 国枝史郎, 白井喬二, 吉川英治, 澁澤龍彦, 筒井康隆の計12名の方々に対する、中田耕治による各作家の全集や刊本の解説などを作家論としてまとめた刊本。 
巻末解説(澤名恭一郎)に、横溝正史に関する論稿は、『鬼火』解説(桃源社) 1969/11 との記載があった。ここにきてようやく、当サイトで紹介していなかったかに思い至った。『鬼火 *完全版*』(桃源社, 1972/3発行版)で、その解説として中田耕治の文章を読んでいたからだったように思う。本論稿の中から、興味深い文章を紹介しておきたい。 私にとって興味深いものの一つとして、"幻の女(ファントム･レディ)"テーマがある。これは「孔雀屏風」のなかで語られるのだが、まったく未知の女が、しばしば幻となってあらわれる。これが、屡々横溝正史の主題になっていると思われる。幻の女への渇仰が、逆説的に、邪悪な、溷濁した魂の倒錯をもたらしているのではないか。 | |
|
さて、次回の「ほぼ週刊・本棚から横溝正史」は…。 キーワードは「？？？」です。お楽しみに！ |
|
横溝正史関連書籍をご存じの方、 耳寄りな情報をお待ちしております。 |
 横溝ペディアへ |
 本棚からへ |
 ページの先頭へ |