『映画と文学 交響する想像力』　 - ほぼ週刊・本棚から横溝正史 -

『映画と文学 交響する想像力』 (中村三春編, 森話社, 2016/3/25, 本体3,400円)

内容項目は次の通り。 　II 協働とメディア・ミックス 　　探偵とノスタルジアの視線 　　　――『獄門島』をめぐって　横濱雄二, p.157-183 　　　はじめに―獄門島の位置, p.158 　　　一　「私も犯人の名前を知りません」, p.160 　　　二　ディスカバー・ジャパン映画, p.166 　　　三　虚構のノスタルジア, p.175 　　　むすびにかえて―越境する風景, p.179

『キネマ旬報』(716号,1977/9上) 収録の、 「「獄門島」は愛と孤独の人間ドラマだ 市川崑監督に聞く, [インタヴュアー]押川義行」からの転載だが、市川崑監督が横溝作品について、次のように語っている。 構溝さんの小説をよく読んでみると、オカルト的なところなんかひとつもないんですよ。ただ文章があやしい妖気をバーとふりまいているからオカルトのように見えたり、題名のつけ方が大変うまくて、例えば「犬神家の一族」なんて書くとオカルトを感じてしまうけれども、非常に現実的な、お金がほしいという話ですからね。だからぼくには、狐憑きだとか「エクソシスト」的な要素はまったくない、愛の物語のように感じられるんですね。つまり愛と孤独というテーマが殺人というデフォルメされた形で出てきているわけです。 言い得て妙。

さて、次回の「ほぼ週刊・本棚から横溝正史」は…。 キーワードは「？？？」です。お楽しみに！

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