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『大衆ヒーローの謎』  - ほぼ週刊・本棚から横溝正史 -

『大衆ヒーローの謎』(三谷茉沙夫,読売新聞社,238p,1995/9,本体:1,165円)
『大衆ヒーローの謎』
三谷茉沙夫, 読売新聞社, 238p, 1995/9, 本体:1,165円

内容項目は次の通り。
難事件OKの名探偵篇
 金田一耕助 渡米中は麻薬常習者だった p.46-50
  ・アメリカで麻薬を体験
  ・モデルは菊田一夫
  ・無収入の謎

大江戸捜査篇
 人形佐七 生まれついての女好きの謎とは? p.91-95
  ・五月人形のモデルに
  ・もと遊女を女房に

時代はヒーローをのぞみヒーローは時代をつくると、帯にあります。
「週刊読売」1994/4-1995/3連載の同題を、大幅加筆したとのこと。 あとがきによれば、とにかく「へえ、そうなのか」を極力集めたとのことです。

「金田一耕助」に関して紹介されている「へえ、そうなのか」は、 『本陣殺人事件』『獄門島』『真説 金田一耕助』(エッセイ)などで、 詳述されている内容がベースになっているようです。
  ・渡米中は麻薬常習者:『本陣殺人事件』
  ・アメリカの大学卒業:『本陣殺人事件』
  ・太平洋戦争で兵役経験:『獄門島』
  ・モデルは菊田一夫&無収入の謎:『真説 金田一耕助』
『本陣』『獄門島』で、若き日の金田一耕助も、チェックしておきましょう。

純日本的なイメージが定着している「金田一耕助」ですが、 アメリカで麻薬・留学経験を積んだ経歴があるという設定は、 意外と知られていないようです。おそらく英会話は、ネイティブクラスだと思われます。

「人形佐七」の「へえ、そうなのか」ですが、 「お玉が池」という作品で、横溝正史は、佐七ら作中人物名義で 俳句を披露しています。

「金田一耕助」は、この本では"三毛猫ホームズ"の次に紹介されています(^^;)。 できれば明智小五郎の次くらいに、紹介してほしかったです。

さて、次回の「ほぼ週刊・本棚から横溝正史」は…。
キーワードは「辛口の横溝正史批評」です。お楽しみに!

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