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角川文庫『横溝正史読本』(小林信彦編,1979/1,p.30-31)の対談の中で、気になる発言があります。 横溝 いや、そんなに書いてやしないよ。ただ雑文を書いていましたね。博文館にいくつか雑誌があって、ぼく、ある月には全部書いたよ。(笑)「太陽」から「農業世界」から「少年世界」から「少女世界」から、全部書いた。「今月、オレ全部書いたな」なんて月、あったよ。 小林 雑文ですか。 横溝 うん、雑文。「太陽」なら「太陽」、「農業世界」なら「農業世界」むきの、四、五枚のものを。 小林 「農業世界」って、たとえばどういうものですか。 横溝 まァ、随筆みたいなものをね、何でも書いたもんだ。 中島リストや島崎リストにはその記述がなく、また昭和初期の雑誌ということもあり、入手はおろか図書館での閲覧もままならない状況です。 このままでは横溝正史の昭和初期の随筆を、永遠に読むことができなくなりそうです。 真の横溝正史全集には収録されるべき作品であり、今後も調査を続けていきます。 |
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