フランスコント作家・横溝正史を探せ！　 - 架空のフランス人作家 -

『「新青年」の頃』(乾信一郎,早川書房,1991/11)「十一の章　横溝さんのこと」(p.132)に、こんなことが書かれています。 　そのフランス・コントの愛読者であった私が編集部へ入りたての頃、あるフランス作家の コントが誌上へ出なくなっていた。あの作家は本国でももう書かなくなっていたのか、 それとも死亡したのだろうか、と水谷さんにきいたことがあった。その答えが意外だった。 　あれは、ヨコセイ作のフランス・コントなんだよ、と。 架空のフランス人作家になりすましていたのは、横溝正史が新青年の編集に携わっていた 昭和2,3年のころのことのようです。 『覆面の佳人』(乱歩･正史,春陽文庫,昭和4年初出)は、フランスが舞台の作品であり、 どうしてフランスなのかと、首を傾げていたのですが、こういう素地があったのですね。 でも、このフランスコントの作家名って何なのでしょうね。 「新青年 全巻総目次」(「新青年」研究会編『新青年読本』全一巻,作品社,1988/2)で、 (仏)と記載されている作家名をチェックしてみたのですが、データ不足で特定できずにいました。 『想い出の作家たち -雑誌編集50年-』(高森栄次, 博文館新社, 1988/5)収録の、 「座談会 古きよき博文館時代 」(玉川一郎, 乾信一郎, 高森栄次)に、 横溝正史のフランスコント作家としてのペンネームのヒントが記されていた。 高森 こないだ横溝正史さんに逢って話を聞いたら、当時、新橋辺りへ 外国の古本を買いにいくんだって。これは面白いってんで買うと、 みんなもそう思うのでぶつかっちゃって、結局、創作翻訳やるに 限るってことになって、でたらめの名前で、ガリレオなんとかとつけて(笑い)。 乾 メイド・イン・ジャパンのフランス作家がずいぶんいたねえ(笑い)。 高森 ぼくだけかと思ったら、みんなもやっていたの……。

ガリレオなんとか(^^;)、 その人こそ、フランスコント作家・横溝正史なのでしょうか。

架空のフランス人作家が誰なのかご存じの方、 ぜひご一報ください。

---

横溝ペディアへ

WANTEDへ

ページの先頭へ