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角川文庫に「金田一耕助ファイル」と銘打った文庫が、20タイトル22冊ある。
にもかかわらず、金田一作品収録文庫でありながら「金田一耕助ファイル」と銘打っていないものが６冊ある。
「幽霊座」「悪魔の降誕祭」「扉の影の女」「夜の黒豹」「迷路の花嫁」「死仮面」がそうだ。
この事情を知らない読者は、「20タイトル22冊」の方に目がいってしまうではないか。 |
  同じ金田一作品なのに…。 |
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金田一作品は全77作品。そのすべてを収録して初めて、 「金田一耕助ファイル」になるわけです。 文庫のナンバリングについてですが、『八つ墓村』を"No.1"にしたい気持ちは わかります。この辺りの事情は、塩沢実信「角川書店と横溝正史の『八つ墓村』 -出版社の運命を決めた一冊の本-」(流動, 1979/11,p260-272)が詳しいが…。 しかし"No.2"以降、事件簿年代順にほぼ並んでいるわけですから、 なんとか年代順にすべてをならべ直して欲しい。 金田一作品集はいままでに何度か刊行されていますが、いまだかつて 77作品を年代順にソートし、刊行したケースはなぜかありません。 浜田知明「完全年譜 金田一耕助の生涯」(野性時代,1994/3)を ベースにして、収録順を根本から見直し、ソートを行った上で刊行し直しましょう。 それから、金田一作品事件簿年代順の刊行が終わったら、引き続き「由利・三津木ファイル」なども 続巻として出してこそ、「横溝正史」を語ることができると思います。 この「文庫整理学」で、「角川旧版」「角川新版」に続いて、「角川復刊」を熱く語ることができる日が、 来ることを信じて…。 |
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横溝作品刊行の予定をご存知の方、 ぜひご一報ください。 |
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