『本陣殺人事件』一柳家の本棚
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『本陣殺人事件』は「金田一耕助の事件記録」として、横溝正史が最初に発表したものです。 また「金田一耕助最初の事件」を含め、『本陣』以前の金田一耕助の略歴を紹介しています。 『本陣』は、金田一シリーズ77作品のの起点となった作品です。 ご一読をお勧めします。

角川文庫緑304-8『本陣殺人事件』九「猫の墓」より引用。 …(耕助は)ずかずかとその書斎のまえに寄ると、大きな目を瞠りいくらか呼吸さえはずませながら、そこに並んでいる、探偵小説の排列に見とれていた。 　耕助がそんなにも驚いたのも無理はない。そこには内外のありとあらゆる探偵小説が網羅されているのであった。古いところでは涙香本から始まって、ドイル全集、ルパン物、更に博文館や平凡社から発行された翻訳探偵小説全集、日本物では江戸川乱歩、小酒井不木、甲賀三郎、木下宇陀児、木々高太郎、海野十三、小栗虫太郎と、そういう人たちの著書が、一冊あまさず集められているばかりではなく、未訳の原本、エラリー・クイーンやディクソン・カー、クロフツやクリスチー等々々、まったくそれは探偵小説図書館といってもいいほどの偉観であった。 壮観でしょうねえ。今集めようとすると、どれくらい費用や期間がかかるでしょうか。横溝正史は「涙香本」収集家としても著名であり、作風に少なからず影響を受けていることを自らエッセイや対談で語っています。 ちょっと待ってください。一柳家の本棚に並べられた作家名をもう一度見てください。肝心な一人が外されています。 そう、横溝正史の著作はなかったのでしょうか。 私はすごく気になっています(^^;)。

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